すずめの偏食について

※このページは「巣立ちヒナ〜成鳥」のためのページです。

はじめに
さし餌から一人餌に移行させるとき「なかなかシードを食べてくれない」
または、巣立ちヒナを保護した場合「ミルワームしか食べない」など、
スズメの偏食について悩まれる方が多いようです。

もちろん対処はケースバイケースなのですが毎年必ずある相談なので
このページに大筋をまとめておくことにしました。


念のため確認
主食には小鳥用にアワ、ヒエ、キビなど何種類かの穀物を配合された、必ず「皮付き」の配合飼料を与えてください。
(※例外として一人餌訓練を始めたばかりのヒナには皮なしでいいです。)

商品によっては一部のシードだけ皮付きの商品もあって、
小鳥のエサを初めて見る方には、見分けにくいかと思いますので、
必ず「皮付き」「殻付き」と表示のあるものを手に入れるようにしてください。
名称も「ミックスシード」「混合餌」「雑穀」など、複数あるので
小鳥を飼った経験のない方は混乱されるかも知れません。
さらに最近は健康食ブームで人間用の「雑穀」も売られてて、ややこしい・・^^;

人間用の雑穀は手軽に炊飯器で炊けるように加工されているモノが多いですから
初めて小鳥のエサを購入される方は食品売り場においてある雑穀ではなく、
ペットコーナーやペットショップで扱っている小鳥用の雑穀を手に入れることをおすすめします。

餌についての用語集(すずめっ子クラブWiki)
食餌については必ず「すずめっ子クラブ」をお読みください。


小鳥用混合餌(以下表記シード)の食べさせ方

シードに興味を持たせる

提案その1
スズメは小さい粒や動くモノに反応して、本能的につつきます。
シードを床にまいて、目の前で転がしたりして注意を引いてください。
(はじめの頃は自分で殻をムクのがヘタなので殻のついてないアワ玉を用意してください。)

つついたとしても、すぐに口から出すかも知れませんが、
はじめのうちはつつくだけで上出来です。
すずさんも小ちゅんも一人餌が出来るまで一ヶ月くらいかかりました。
あわてず気長に続けてくださいね。(もちろん個体差があり、すぐにできるコもいます。)

提案その2
ペットボトルのフタなど、小さい容器にアワ玉を入れ、
目の前で少し斜めに持って容器をくるくる回してください。
中でアワ玉が動くので興味を持ってつつくと思います。

アワ玉をつついて遊ぶようになったらアワ玉やシードを常設してあげてください。
(野生ではゴハンは容器ではなく地面に落ちています。
できれば容器に入れないで床にばらまいた方がスズメさんには食べやすいようです。
でもカゴの中では糞と一緒になってしまいがちなので、カゴでは容器、放鳥時の部屋の中では「バラマキ」にすると良いと思います。)


給餌の時は「アワ玉・殻付きシード」→「外の虫またはすり餌」→
寝る前などたくさん食べさせたい時に「栄養改善したミルワーム」の順で与えてください。
※あくまで一人餌訓練中の順番です。まだ羽のそろってないヒナちゃんには粟玉やシードを与えないでくださいね。
アワ玉やシードを食べた時はお水もあげてくださいね。

シード類は食べているように見えて、つついて散らかしたり
殻をはずして遊ぶだけだったりしますので、糞をチェックして食べているか確認してください。
もしフンの中に未消化のシードが混じっていたら寒いのかも知れません。保温して様子をよく見てあげてください。

毎日体重を量ればエサが不足していないかの目安になり、健康チェックにもなります。

エサの量や給餌間隔はあんまり参考になりませんが
小ちゅんの日記に挿し餌から一人餌完了までの大雑把な記録がしてあります。


青菜の食べさせ方

青菜は菜差しに入れて好きな時につつけるようにしておいてください。
これもシードと同じく、はじめはかじって遊ぶだけかもしれませんが、
青菜は大事なビタミン、カルシウム源です。たとえかじるだけでも
クチバシについた分は貴重な栄養となりますので、毎日新鮮なモノを与えてください。

より積極的な与え方として「千切りにしてみる」「練り餌などに細かく刻んで混ぜる」方法もあります。

野生のスズメさんが食べてそうな野草も与えてみてください。
特にナズナ(ペンペングサ)はカルシウム豊富でオススメです。


食餌改善案 〜ミルワームしか食べてくれない〜

巣立ちヒナを保護した場合、「ミルワームは食べるけどすり餌を食べてくれない」ケースが多いようです。
このケースのすり餌の食べさせ方は「給餌について」に、まとめてありますので 試してみてください。

保護したときにミルワームしか食べなかったので、一人餌になった後も
そのままミルワームしか食べさせていない・・というケースがあったので
その際についての食餌改善案を書いておきます。

スズメは人間と同じ雑食です。人間が同じモノばかり食べていたら栄養不足になるように
いくら栄養改善したミルワームでも、それだけではスズメも栄養不足になってしまいます。
「ミルワームばかり食べている」のは、いつ栄養不足による病気や障がいがおきても
おかしくない深刻な状態です。

できるならしばらくミルワームを与えるのはやめて、
青虫やバッタなど外で捕まえられる虫を与えていただきたいのですが
今までミルワームを与えていた分の虫を捕まえるとなると現実的に難しいでしょう。
ヒナの場合なら虫の代わりをすり餌で補うのですが、そもそも最初にすり餌を食べなかったから
ミルワームのみの食餌になってしまってるのだと思いますorz;
上記のシードの食べさせ方の訓練を開始し、
もう一度すり餌にもトライして、できるだけミルワームを与える量を減らしてください。

やっぱりすり餌がダメだったなら、ゆで卵や蒸かしたカボチャ、サツマイモ、豆、コーンなど、
とにかくミルワーム以外ですぐに食べてくれるモノを探しましょう。
※食べてくれるモノが見つかったら、少しずつすり餌を混ぜていくことをお忘れなく!

スズメは仲間が食べているモノに興味を持って同じモノを食べようとします。
ゆで卵やカボチャなどは、スズメさんの目の前で里親さんが食べてみせれば
欲しがるかも知れません。

もし手に入ればラウディブッシュ社のフォーミュラー3も試してみてください。
飼い鳥ヒナ用のエサですが、すり餌より美味しくできてるようです。
扱っているお店は少ないですが動物病院なら置いてあると思いますので
お店で見つからない場合は近くの動物病院に問い合わせてみてください。

↑ネット通販でも手に入ります。


もし気に入ってくれたら、食べやすいように固めに溶いたモノを容器に入れておいてあげてください。

水分の多い食餌は腐りやすいので管理が大変なうえ、そのう炎の原因になりやすいので
通常ヒナ以外に練り餌(すり餌など水で溶いたエサ)はオススメしないのですが
それでもミルワームばかりの食餌を続けるよりは、ずっと良いと思います。
シードが食べられるようになったら、その分練り餌を減らしていきましょう。



ペレットへの切り替えについて

※長期保護のスズメさん向けです


小ちゅんはシードのばっかり食いでした。シードだけだと栄養バランスが悪いので
「コレひとつでO.K.」という謳い文句のペレット食に変更しました。
「これだけで・・」といっても飼い鳥さんに対してなんですけどね^^;
足りないと思われる要素は少しずつでも足していけば
シードのばっかり食いよりはバランスを取りやすいかも?と思います(あくまで素人考えですよ)。
小ちゅんの場合はシードにペレットを少しずつ混ぜる方法で成功しました
詳しくは小ちゅんの日記をお読みください。

※ペレットは自然に無いモノなので、長期保護のスズメさん向けです。
(ペレットについては「すずめSOS」さんで各社の詳しい紹介をしてくれています。)